わたしは とても 心配性。

 

 想像できるだけの悲劇は すべて 起こりうるのです

 からだがまっぷたつに 裂かれる痛みも

 あした ぐちゃっと

 しんじゃうことだって

 風船だまの胸騒ぎ・・・・ 

 じゅうぶん 起こることよ

 

  電車 というものの存在を 思う

  わたしにはそれが 

  駅員のはかない腕を 何百も何千も組んで作られた

  か弱い絶叫マシーンのように

  思われます

  ひとの腕は ほんとうはとても もろいものなのに

  あなたの腕の優しさに

  わたしは それを 忘れてしまう

     それはちっとも当たり前じゃないのよ

     通勤、なんて、ちっとも当たり前じゃないのよ

     高架線

     ほら、川を渡って ビルの4階と同じ

     高さ・・・

     こわくない こわくない

     だけど こわい・・・・・

     あしたこのコンクリートが 

     ぼろぼろりん・・・

     崩れ落ちてしまうかもしれない

  はかない腕をくみ上げて 

  一番星を探しにゆくのね

  少年 おおきな網を持って

  大地を信じて 輝きを探すのね

  成績の良い子が登っていった かげろうの腕で出来たビル

  ああ、高いところから見下ろす地平線に

  つぶれたトマトが 落ちてゆく

  

   わたしは とっても 心配性です

   たぶん、絶対、壊れるはず。

   ああ、それは絶対、壊れるよ。

    認知症夫婦のケースワークでケアマネやら看護師やら

    包括支援センターやらドクターやらがシステムを作っているのに

    まんなかはからっぽ だれがそれをやるの?

    使われなかった非常ベル

    金融機関の営業さんだけが その老夫婦の家に来て

    呼べばなんでもしてくれた

    なんて・・・・

   あやふやな もうけ話が

   きらきらと舞い散ってゆく県境の鉄橋

   たまに壊れる通勤列車

   それがきちんと走っていることなんて ちっとも当たり前のことじゃないのよ そうよ 壊れるの 車掌だって 駅員だって あぶないの 回転ドアは人を殺せるの あぶないの 学歴を付けさせてやったのに 親から見ればちっとも役に立たなかった 息子の影 何度も言うわ ちっとも何もかも当たり前じゃないの 多変量解析で何かを予測しても ぜんぜん だめなの そんなことじゃ・・・・

   

   ひとが行うことだから 

   ときにはアウト・オブ・オーダー 壊れるよね 予定通りいかないね しょうがないからセイフティー、安全だけに、気をつけて・・・・

   しょうがない

   それはそういうものなのだ

   と

   融通のきかないわたしも 学んでゆきました

   駅員さんの腕を絡めて作った

   おみこしで

   それは奇跡のようですね

   安全に

   帰る